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他では聞けないくすりのはなし

経済的に効率的な医療

 医薬品について、医療の経済効率について調べた報告が最近出されました。抗がん剤投与時の吐き気どめについてその経済効率をまとめたものです。簡単に言うと、抗がん剤を投与したときによく効く吐き気どめは高いけれど、実際に吐いてしまった場合と比べて、本当に経済的なのだろうかということです。
 ここで、抗がん剤の吐き気についてちょっと一言・・・・・。
 抗がん剤は、いろいろな種類のものがありますが、なかには継続的な吐き気や実際に吐いてしまうということに悩まされるものがあります。従来は、抗がん剤を投与したときの吐き気に対して、一般的な吐き気止めの薬を投与されていましたが、あまり効果がなく、患者はもとより医療関係者も苦労していました。その中でもプリンペラン(一般名:塩酸メトクロプラミド)の大量投与注射することにより、ある程度抑えることができましたが、プリンペランの副作用(具体的には、手がふるえたり、筋肉が硬直したりする)がでてしまうというジレンマがありました。
 最近では、5−HT受容体拮抗剤(具体的に商品名を出すと、ゾフラン、カイトリル、ナボバンなど)という薬が登場し、その薬を投与することにより、比較的、その気持ち悪さは抑えられるということが分かっています。気持ち悪くなってから投与するのではなく、気持ち悪くなる抗がん剤ははじめから分かっていますので、予防的に投与するというのが一般的です。

 抗がん剤を投与した後、経口剤トロピセトロン(商品名:ナボバン)で調べた結果、その薬を飲ませると、吐き気がおさまり治療費は2216円ですが、一方、その薬を使わず実際に嘔吐してしまった場合、看護婦や医師の処置、薬剤の費用などで、平均8386円かかり、その薬を飲むと差し引き6169円経済的にお得という結果が出ました。また、オンダンセトロン(商品名:ゾフラン)の錠剤でも、4190円経済的であるという結果です。
 しかし、かわりに5−HT受容体拮抗剤の注射剤を使った場合は、注射剤も高く、注射する医師や看護婦の手間もかかるため、嘔吐は抑えられるけれど、効率的ではないという結果でした。
 これからは、ただ病気をなおすだけでなく、経済的に効率的な医療という考え方が注目されてくると思います。
 薬剤師の行う服薬指導も、それをすると患者さんの入院期間が短くなり、かつ副作用の発現も抑えることができたといったような報告がどこかにないでしょうか?そういうデータがあれば、美しいですね。

 この項は、

 を参考にしました。

(1998/05/30)

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制作・著作: 佐藤賛治 (薬のご質問にはお答えできません

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