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他では聞けないくすりのはなし

初のインフルエンザ治療薬「アマンタジン」

 今の時期、ようやく落ち着いてきたようですが、今年は、インフルエンザの猛威がすごく、全国各地で亡くなられている方がいます。
 インフルエンザを含む風邪はウイルスが原因といわれています。そのウイルスは、人の喉や鼻の粘膜を好んで住み着きます。彼らを異物と感じて、体が抵抗するので、喉が腫れたり、鼻水や咳が出たり、熱が出たりします。これらは、体の防御反応です。
 世の中に「風邪薬」と言われているものは、このいろいろな症状を緩和するだけに過ぎず、原因となるウイルスをやっつけるわけではありません。
 そんな中で、去年の11月に、初のインフルエンザ治療薬「アマンタジン」(商品名シンメトレル)が承認されました。この薬は、もともと脳梗塞に伴う意欲・自発性低下の改善や、脳神経の障害で手足の動きが思うようにならないなどの症状が出るパーキンソン症候群に適応があったものです。
 このアマンタジンという薬は、A型インフルエンザウイルス感染症のみに効果があります。また、予防投与は、確かに効果はがあるのですが、保険給付の対象にならず、また、小児に対する安全性は確立していません。
 インフルエンザの対策の基本は予防接種で、アマンタジンはそれを補うものです。今年のインフルエンザの猛威でワクチンが不足していたという報道がありましたが、そのようなワクチンの入手が困難な場合や、ワクチン接種ができない疾患や状態の場合、また、効果が現れるのがワクチンと比べると非常に早いことから、ワクチン接種の効果が表れるまでの10日間ほどをアマンタジンでしのぐといった使い方がされます。
 アマンタジンは、感染初期のウイルス増殖を抑制することでインフルエンザ様症状の重症化を防ぎます。すでに感染しウイルスの増殖が起こり、インフルエンザ様症状が発現している場合、その症状を軽減する作用はありません。そのためアマンタジンは、発症後48時間以降に投与を開始しても十分な効果が得られないため、発症後可能な限り速やかに投与を開始することが必要です。
 また、ずっと使い続けると、耐性インフルエンザウイルス(薬が効かないもの)が出現するという報告もあり、投与期間は長くても1週間にとどめます。
 アマンタジンはA型にしか効かないのですが、現在、A型、B型両方に効く薬が開発中です。

 ※この項は、以下の文献を参考にしました。

(1999/02/26)

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制作・著作: 佐藤賛治 (薬のご質問にはお答えできません

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