
他では聞けないくすりのはなし
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きっと世の中には便秘で悩んでおられる方が大勢いらっしゃることでしょう。入院患者さんに薬の説明をするときにお会いして感じますが、便秘で困っておられる方が多いです。web上で検索してみると、実に多くの便秘に関する情報があることが分かります。細かいことはそちらにおまかせするとして、「他では聞けないくすりのはなし」的に便秘にまつわる話を書きます。
便秘の原因はいろいろあります。慢性の便秘は大きく分けて、腸のはたらきが弱くなっておこるものと、何か病気があるためにおこるものとに分けられます。
便秘を起こす可能性のある薬としては、リン酸コデインなどの咳止め、癌の痛み止めとして使われるモルヒネはほとんどの方が便秘になります。それらの薬を服用している間は積極的に下剤が投与されます。また、他の薬でも便秘になることのある薬がありますので、主治医の先生や薬剤師と相談することをおすすめします。
便秘の治療となるとすぐに薬を使うことを思いつくのですが、それは早計過ぎます。便秘の治療の基本は「1に生活、2に食事、3,4がなくて、5に薬」と言われており、下剤は最終手段であるとされています。
生活環境を整える中で、まず第一に、朝食の後は、便意がなくてもトイレに行く習慣をつけます。そして、日常はトイレに行きたくなったら、我慢しないことが肝心です。我慢してしまうと、便意がなくなってしまいます。運動しないと腸が動かないので、体を動かすことも大切です(入院中の患者さんの中には、運動ができない方がおられるので、この点はなかなか解決できませんが)。また、仕事や家庭内のストレスなども大敵だと言われています。食事の面では、大腸粘膜を刺激して蠕動運動を高めるため、食物繊維の豊富な食べ物を十分に摂ることが必要です。水分も適度に摂ることや、朝起きたときに、真っ先に水や牛乳を飲むことも効果があります。
下剤を飲むことになった場合、飲み方は寝る前に服用して朝起きたときに出すというのが一般的です。起きたときに副交換神経から交感神経に切り替わり、そのときに薬も効いてきてちょうど便意を催します。

便秘にまつわる小話をいくつか・・・。
先日、久しぶりに実家に行ってみると、母親が苦しそうに唸っていました。便が出ずに困っていると。冷や汗がでてきて、大変だと。下剤を飲んだが効かず、浣腸もしたけど液が出てくるばかりで効かずの状態で、トイレの前で座り込んでいました。
あとは摘便(つまりは便を指で掻き出すってこと)をするしかないぞと、元看護師の妻にしてもらおうかと聞いたら、それはいいから自分でやってみると言って、ゴム手袋をはめて、滑りのいいように油を指先につけて摘便したところ、やっとのことで出たみたいでほっとしていました。
便秘のネタでは、上の娘が幼稚園の頃、腹がすごく痛いと言うので、勤務先の外科の先生に診てもらったところ、便がつまっているとのことで、浣腸して大量の便が出たらすっきりしたという話を思い出しました。
昔ソルベンという薬がありました。お腹が痛くならずに評判がいい薬でした。しかし、動物実験で大量に投与したところ発ガン性が確認されたのでメーカーが自主的に製造・販売を自粛するということが起きました。私が薬剤師になりたての頃の1987年のことです。 長期に大量投与すれば、どんな薬でもそんなことは起こるんじゃないかというのがその頃の私の直感でした。たぶん普通の量を飲んでいる場合は何ら関係のないことだと思うのですが、ソルベンは自然消滅していきました。
● 厚生省 副作用情報No.83(昭62. 2) http://www.office-pharm.net/H083.htm
たかが便秘ですが、されど便秘です。便秘の症状の裏側になにか別の病気が隠れている可能性もあります。あまり便秘が続くようであれば、自己判断で下剤を飲むのではなく、医師の診察をうけることをおすすめします。
<参考リンク>
- 帝人ファーマ:便秘ってなぁに?
http://www.teijin-pharma.co.jp/benpi/index.html- 新潟県立がんセンター新潟病院:治療に関した副作用: 便秘
http://www.niigata-cc.jp/Sikkan/Setumei/FukusayoBenpi.html
(2004/03/21)
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制作・著作:
佐藤賛治 (薬のご質問にはお答えできません)(http://d-inf.org/drug/)