ホーム > 他では聞けないくすりのはなし > 薬に関するいろいろなこと >

logo.gif

他では聞けないくすりのはなし

外来患者さんへの医薬品の長期投与

 基本的に、病院で1回に出すお薬は、内服薬は14日分以内、外用薬は7日分以内というのが原則です。
 しかし、症状が比較的落ち着いていて、いま現在服用している薬で十分にその症状がコントロールされている患者さんには(もちろん症状の経過に応じてですが)、特定の内服薬、外用薬をそれ以上に処方することが認められています。薬と疾患により、内服薬では、30日分、なかには90日分処方できるものもあります。外用薬では14日分、30日分でるものがあります。
 薬としては(これは私の勝手な憶測ですが)、長年使用されて、使い勝手が分かっている薬に限られます。ですから、新薬は、使用経験が少ないために、未知の副作用が出ないとも限らないために、長期投与ができません。

 繰り返しになりますが、全ての薬が長期投与できるわけではありません。具体的には、抗生物質、漢方薬、睡眠剤、急性疾患に用いる薬(風邪薬など)などが長期投与できません。
 長期投与できない薬を長期投与してしまうために、「倍量処方」なんていう処方も行われている事実があります。つまり、例えば、1日に1錠服用する薬で長期投与できない薬があると、それを1日に2錠処方して、実際は1日1錠飲めば、倍の日数処方ができるというものです。しかし、この「倍量処方」というものはあまり誉められたものではなく、処方した医師に、きちんと飲み方を聞かないと、または聞いてもついうっかり、そのままの量を飲んでしまうということがないとは限りません。

 補足: 長期の旅行や年末年始、ゴールデンウィークなどは特別措置として、長期投与できない薬も30日まで処方されることもあります。(病院が休みで、いままで飲んでいた薬が、途中でなくなってしまうと、困りますものね。)

 補足追加: 薬業時報社のホームページを見ていたら、タイムリーな記事を見つけました。
 厚生省が、医療用医薬品の長期投与を基本的に医師の裁量権に委ねる方針を固めたとのこと。慢性疾患で医師が必要と判断した場合は、30日分の投薬を認める方向で、4月から実施となる見通し。

(1998/01/30)

 更に、補足追加の追加:
 どうやら、全ての医療用医薬品での30日分の投薬は、見送られた模様です。
 実際には、内部でどんな議論があったか知りませんが、最終的には長期投薬の対象疾患、品目を拡大するだけにとどまったようです。

(1998/03/29)

 <新たな展開〜4年ぶりの更新>
 このページ、久しぶりの更新となります。上に書いてあることがどうやら現実になりそうです。
 朝日新聞2002年1月31日朝刊にこのような記事を見つけました。 薬の処方、「2週間規制」を廃止
 いまのところ、このURLで記事が見ることができます。
 http://www.asahi.com/life/health/iryo/020131a.html
 記事のよりますと、この4月から麻薬や向精神薬など一部の薬を除き、長期投与が可能になるとのことです。慢性疾患の患者さんとしては喜ばしいことでしょう。病院としたら2週間に一度患者さんが来るところが1ヶ月に一度になると診察代収入が半分になってしまうということになります。
 (ただいまのところ、朝日新聞でしか確認が取れていないので、未確認情報であることをお断りしておきます・・・前のことがありますからねえ〜噂だけかも)

(2002/02/02追加)

 <どうやらホント〜いまのところ案だけどね>
 日経新聞や他にも該当記事の掲載があったようです。ネットではMedWaveにでていました。いまのところ、http://medwave2.nikkeibp.co.jp/wcs/med/leaf?CID=onair/medwave/tpic/167796 で確認できます。内服薬、外用薬、注射薬いずれも投与日数の制限がなくなるとのことですが、麻薬や向精神薬、薬価基準収載から1年以内の新医薬品は現状維持の14日までしか投与ができません。正式に決まったわけではなく今は案の段階のようです。

(2002/02/04追加)

 <決まりました>
 上記の案が決まりました。内服薬、外用薬、注射薬いずれも投与日数の制限がなくなります。平成14年度診療報酬改定のポイントのひとつとして、無駄な通院を減らすということがあります。一ヶ月に一度の診療で十分な患者さんでも、薬が2週間分しか処方できない場合は、それだけ診療代が無駄になっていましたから(診療なしで薬だけ取りに来られている方も実は診療代がかかっています)。

(2002/02/24追加)

 <補足>
 麻薬や向精神薬、薬価基準収載から1年以内の新医薬品は14日までしか投与ができませんと書きましたが、例外があります。塩酸モルヒネ又は塩酸ブプレノルフィンを含有する注射薬は30日投与が認められました。また向精神薬の中でも胃潰瘍・過敏性腸症候群・自律神経失調症などに安定剤としての適応があるものは30日、てんかんの適応があるものは90日となっています。睡眠導入剤は従来どおり14日分までしか処方できないようです。長期投与が可能となっても、向精神薬の扱いは従来とおおむねいっしょだと思われます。
 詳しくは、http://medwave2.nikkeibp.co.jp/wcs/med/leaf?CID=onair/medwave/tpic/175403に書かれてありますのでご参照下さい。

(2002/03/21追加)

 カテゴリに戻る

 

saty@d-inf.org

制作・著作: 佐藤賛治 (薬のご質問にはお答えできません

(http://d-inf.org/drug/)