
他では聞けないくすりのはなし
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コンビニに薬を置くのはいかがなものか(1)からのつづきです。
そもそも、夜中に薬が必要となる状況というのは、どういう場面でしょうか?
風邪ひいて、熱や咳がひどくて薬を飲みたい状況、胃が痛くて、たまらない状況・・・。ひどい熱がでていて、体がだるく、ひょっとしてインフルエンザにかかってしまったのかもしれないという場面で、すぐになんとかしたい・・・。コンビニに立ち寄ったけど、そういえばほんの少し気分がすぐれないのでちょっと薬でも買っていこうか・・・。いろいろ想像できます。
でもちょっと待ってください。たとえば、インフルエンザで熱が出ているときは、解熱してはいけないとされています。特に小児ではインフルエンザ脳炎にかかるリスクが高くなるためにダメです(「解熱剤の適用の可否」、「インフルエンザに危険な解熱鎮痛剤」をご覧ください)。そういう基本的情報をもたない方が、熱が出たからといって解熱剤を飲んでしまっていいのかという問題があります。実際のところ、翌朝まで待てないことなのでしょうか?翌日まで待てないのであれば、救急病院にかかるべきだと思います。なまじ素人考えでコンビニで薬を買って応急処置をすると、なにか重要な病気であった場合に、とりかえしのつかなくなることが考えられます。
それに深夜に若者がたむろしているという状況を考えてみますと、そこで薬を売るということは、下手したら薬物乱用に手を貸してしまうんじゃないかということも心配されます(基本的に薬物乱用になるような薬は置かれません;取り越し苦労という気もしますけど)。

現在では、市販薬は薬剤師がいないと売れないことになっています。それは薬事法という法律で決まっています。そういう法律があるからダメなのと言ってみたところで始まりません。薬剤師がいないと薬が売れないと言われても、じゃあ薬剤師って何やってくれるんだという文句も出てくるでしょう。実際に今回の規制緩和の話し合いの席で緩和賛成側から、実際に薬剤師は薬を販売するときにろくすっぽ説明していないじゃないかという意見も出されたそうです。
お客さんの立場でおすすめしたいのは、薬局・薬店で薬を買う際に、薬剤師にアレルギーのことや妊娠していることなどいろいろ相談をして買いなさいということです。薬を買う際には、些細なことでもいいので、そこの薬剤師にどんどんと質問してください。白衣を着ている人でも、薬剤師ではない場合が往々にしてありますので注意が必要ですが。
市販薬は比較的安全な成分が含まれていますが、「一般薬で10人が副作用死の疑い〜規制緩和は大丈夫?」にも書きましたように、死んでしまうこともありますので、十分に薬剤師に聞いてから薬を買ってください。きっと親切に応対してくれると思います(親切にまたわかりやすく応対してくれるだろうという期待もこもってます)。
今回の問題は薬剤師の存在意義が問われています。ただ法律を満たすために、薬局に薬剤師がいればいいというものではありません。今回のコンビニに薬を置く件といい、テレビ電話を使っての薬の販売の件といい、薬を売るときにどうして薬剤師がいなくっちゃいけないの?薬剤師は何してくれるの?ってことが突き詰められています。薬剤師の立場で考えてみると、今回の件は薬剤師に喧嘩を売られているような感じもします。どうせなにも説明しないんだったら、コンビニで売ったっていいじゃん、というところでしょうか。私は病院薬剤師であり、薬局・薬店で売られている薬の実態に関して、とやかく言える筋合いではありませんが、それでも今回の件はなめられている気がしてなりません。
便利ばっかり追い求めると、必ずそのツケが必ず回ってきます。夜中に薬がほしいという便利を認めてしまうと、薬の安全性の保証がなくなるというしっぺ返しが必ず来るって・・・というひとりごとでこの項をしめたいと思います。
※ どんどんと話は進んでいっていますので、そのたびにこの項は更新するつもりです。
●All About Japanサイト内の以下のページに詳細な解説があります。
構造改革を斬る〜医薬品販売編1 なぜコンビニで薬が買えないの?
http://allabout.co.jp/health/medicine/closeup/CU20030529A/index.htm
構造改革を斬る〜医薬品販売編2 薬局とドラッグストアって同じ?
http://allabout.co.jp/health/medicine/closeup/CU20030609A/index.htm
構造改革を斬る〜医薬品販売編3 コンビニで薬〜推進派の意見
http://allabout.co.jp/health/medicine/closeup/CU20030626A/index.htm
構造改革を斬る〜医薬品販売編4 コンビニで薬〜反対派の意見
http://allabout.co.jp/health/medicine/closeup/CU20030703A/index.htm
構造改革を斬る〜医薬品販売編5 抜かれた太い骨はどこへ?
http://allabout.co.jp/health/medicine/closeup/CU20030723A/index.htm
●新聞記事では、やはり讀賣新聞が詳しく書かれています。いまのところ次のところにあります。
「讀賣新聞:コンビニで医薬品販売を350品目可能に」
http://www.yomiuri.co.jp/iryou/news_i/20031216so12.htm
(2003/12/20)
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制作・著作:
佐藤賛治 (薬のご質問にはお答えできません)(http://d-inf.org/drug/)