
他では聞けないくすりのはなし
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不眠症と睡眠剤(1)
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世の中には、夜、眠れなくて困っている方が結構いらっしゃいます。入院患者さんのお話を聞いても、夜あまり寝られないんですよと言われる方は相当数いらっしゃいます。全国的にみて、新しく病院や診療所に受診した患者さんのうち、5人に1人は不眠症を訴えているということです。ひょっとして、このページを読んでいるあなたもそうかもしれませんね。かくいう私も、時々眠れないことがあります。私の職業である薬剤師の今後のこととか、自分の将来について考えると・・・。
健康のために必要な最低限の睡眠時間はおよそ5時間くらいと言われています。この最低限必要な時間が確保されても、十分に寝た気がしないとひどく気に病んでしまう点が不眠症の特徴です。だから、3時間しか眠っていなくて睡眠不足の状態でも、本人が苦痛に感じなければ不眠症とは言いません。逆に十分な睡眠時間をとったとしても、「眠れない」と本人が非常に辛いと感じているのなら、不眠症と言うことになります。つまり、数時間しか寝てないから、不眠症なのではなく、十分に眠れないという本人の訴えがあることが不眠症の条件となります。
眠れないからといって、いきなり睡眠剤を飲んでしまうのはあまりいい方法ではありません。まず、第一に不眠の原因となっているものを捜し出して、除去や軽減することが先決です。その原因となるものは次の5項目(5つのP)に分けられます。
1)身体的原因(physical)
睡眠を妨げる病気にかかっていないかどうかということです。例えば、痛みや発熱を伴う疾患にかかっていたら、まず、その病気の治療が先になります。他に、頻尿、気管支喘息、更年期障害でも不眠になることがあります。
2)生理的原因(physiological)
残業や交替勤務(夜勤・日勤を繰り返す;看護婦さんなんかがそうですね)が原因になることがあります。また、寝室の環境がうるさすぎたり、明るすぎたりというのもここに当てはまります。
3)心理的原因(psychological)
家庭生活・社会生活上のストレス、人生の大きな変化(私の場合、転勤の前がそうでした)
4)精神医学的原因(psychiatric)
うつ病、不安神経症、アルコールなど
5)薬理学的原因(pharmacological)
降圧剤、自律神経作用薬、カフェイン、ステロイド、甲状腺薬など服用すると眠れなくなるものがあります。

これらの原因を取り除けるものは取り除き、できないものは軽減することから治療は始まります。でも、例えば、残業や交替勤務が原因になっているとしても、「職変わるんか?そんなことできないやんけ」と言われる方もいるでしょう。薬が原因でも、そちらの治療が大事だということになれば、薬を飲むのを止める訳にもいきません。できるところからするということです。
で、原因を追求して、それが除去・軽減できたとして、十分な効果が得られないときに睡眠剤による治療が行われます。
ちょいと長くなってきましたね。つづきは、不眠症と睡眠剤(2)にあります。睡眠剤の種類や副作用を書いています。そちらもご覧下さい。
※この項は、以下の文献を参考にしました。
(1998/09/27)
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制作・著作:
佐藤賛治 (薬のご質問にはお答えできません)(http://d-inf.org/drug/)