
他では聞けないくすりのはなし
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消化性潰瘍と胃炎の治療薬「マーロックス懸濁液(医療用医薬品)」と「マーロックスプラス(市販医薬品)」が製薬会社の自主回収されています。飲まれている方が多い薬です。
この薬、アイルランドにあるアベンティスファーマ社のニーナ工場でボトル詰めしていますが、欧米向け製品に殺菌を目的として添加している過酸化水素水を、日本向けの製品にも添加していたということです。厚生省で認められた処方成分にはないので、回収という措置が取られました。
欧州ではずっと添加されており、それによる健康被害の報告もないので、それほど心配したことはないというコメントを製薬会社はしています。
● 過酸化水素水というと消毒に使われるオキシドールのことです。家庭用オキシドールは、少量飲んでしまってもほとんど人体に対する影響は考えられないと言われています。
マーロックス懸濁液の回収情報(医薬品情報提供ホームページへのリンク )は、http://www.pharmasys.gr.jp/kaisyuu/kaisyuu2000_3-051.html
マーロックスプラスの回収情報(医薬品情報提供ホームページへのリンク )は、http://www.pharmasys.gr.jp/kaisyuu/kaisyuu2000_3-052.html
山之内製薬のニュースリリースは、http://www.yamanouchi.com/jp/rel/000801.html にあります。
マーロックス懸濁液とマーロックスプラスは、今後しばらく市場から姿を消します。詳しい情報を望まれる方は、おかかりの病院・診療所にまたは山之内製薬(連絡先は、http://www.yamanouchi.co.jp/jp/kur/kur_01.htmlにあります)にお問い合わせ下さい。
なお、2001年1月現在の情報として、2001年度中に生産は再開できないそうです。製造工程の全面的な改善をしなければならず、従来海外(アベンティスファーマ社のニーナ工場)で製造されていたものを国内生産にしようかなあ・・・と考えているとか。回収された当初は、代替品をどうするんだという現場の声が聞かれましたが、使うことができなくなってもうすぐ半年になります。ひょっとしたら、医療現場ではもう要らない薬なのかもしれません。(ここの部分2001/01/27に加筆)

過酸化水素は、生鮮食品や加工食品に天然由来のものとして含まれています。その値については、国立医薬品食品衛生研究所 大阪支所食品試験部のデータが「食品添加物含有量データベース」http://www.nihs.go.jp/hse/food/food-db/food-index.html からのリンクに掲載されています。
過酸化水素は、カタラーゼという酵素で分解されて酸素と水になります。この酵素、組織や血液、細菌、膿汁に含まれています。傷の消毒に使用すると、ジュワーっと泡がでてきますが、血液や膿のカタラーゼと反応して、酸素が出てきているためです。
マーロックス懸濁液のpHは8.18(22℃)と製薬会社より報告されています。このアルカリの条件下では、過酸化水素は酸素と水に分解されてしまい(そもそも過酸化水素が混入していることが分かったきっかけが、マーロックスのボトルが膨張しているのが発見されたためです;気密のボトルが分解した酸素で膨らんでいたと考えられます)、人の体に影響を与えるほど容器の中に残らないと考えられますし、仮に残ったところで、ヒトの小腸細胞内にあるカタラーゼで急速に分解されますので健康被害は考えられません。
(2000/08/02;2000/08/06;2000/09/15;2001/01/27一部改訂)
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制作・著作:
佐藤賛治 (薬のご質問にはお答えできません)(http://d-inf.org/drug/)