
他では聞けないくすりのはなし
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「麻薬」ってきくと、どんなイメージをお持ちでしょうか。怖いもの、悪いもの、裏で取り引きされるものっていうイメージが一般的でしょうか。
実は、麻薬は実に優れた、そして強力な鎮痛剤なのです。病院では主に、癌の疼痛緩和に使用されます。癌から来る痛みというものは、耐え難いものがあるといいます。更に末期となると痛みが増します。
鎮痛剤は、段階的に使用します。つまり、その痛みに応じて、弱い鎮痛剤から使用し、段階を追って、徐々に強い鎮痛剤に切り替えていくのが普通です。その最後に使用するのが、麻薬です。その中でもよく使用されるものはモルヒネです。
弱い痛み止めは、痛みが増して、服用する量を増やしてもある程度の増やしたところで副作用ばかり発現し、効果が出なくなります。しかし、モルヒネはその副作用を見ながら使えば、効果の頭打ちがありません。それはつまり、患者さんの痛みにより、モルヒネの量をどれだけでも増やすことができて、しかも効果があるということです。
その主な副作用は、便秘、嘔気・嘔吐、眠気などです。便秘は、投与している全患者にほぼ見られ、便通のコントロールがモルヒネを投与するに当たってのまずクリアしなければならない問題です。嘔気・嘔吐は30%程度の患者に見られ、発現しても5〜14日程度で慣れてくると言われています。これも、投与前、または症状を訴えてから、吐き気止めの薬を使用します。ここで気をつけなければならないことは、一度吐き気を経験してしまうと、その薬を見ただけで、気持ち悪くなる患者がいるということです。だから、必ず出現する副作用ではないのですが、予防的投与−服用する前にあらかじめ吐き気止めの薬を投与することが望まれています。眠気の副作用も投与初期段階で20%程度の患者さんに現れますが、そのうちに慣れてくると言われています。
日本での、医療用に使われる麻薬は、諸外国に比べると人口あたりの使用量が少ないというのが現状です。(下の表を見て下さい。)その理由は、使用するために手続きや管理が面倒であるということがあります。若しくは、医者のモルヒネに対する先入観があるのかも知れません。そのために、癌の痛みを除くことのできている患者さんは、年々その率が上がってきてはいるものの、全癌患者さんの半数程度でしかありません
一日あたりのモルヒネ消費量(g)/100万人 (1992年)
| 日本 |
カナダ |
イギリス |
オーストラリア |
アメリカ |
フランス |
ドイツ |
ロシア |
|
4.2 |
61.1 |
53.4 |
40.3 |
33.6 |
11.1 |
10.5 |
5.0 |
モルヒネの剤型は、のみ薬では、その昔は粉しかなく、水に溶かして、アルコールを混ぜて、患者さんに投与していました。しかし、薬の効き目が長続きせず、多い人では、1日に6回とか飲まなければならず、患者さんの負担も大変だったのですが、最近では、持続的にその効果がある錠剤が開発されてから、1日2回の投与で疼痛がコントロール可能になりました。
内服ができない患者さんには、坐薬、または注射剤があります。しかし、患者さんのことを考えると、まず、内服できる患者さんには錠剤を投与するというのが第一選択です。
(この項は、「最新医学」第45巻4〜12号、第46巻1〜2号、及び「がん疼痛緩和と医療用麻薬の適正使用推進のための講習会」(平成7年7月8日、日本公定書協会、麻薬・覚醒剤乱用防止センター主催、名古屋にて)の要旨集を参考にしました。)
(1998/02/25)
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さらに・・・・・。
本日、機会あって、静岡県健康福祉部薬務課主催による、「麻薬管理者講習会」に参加し、その管理の講習を受けてまいりました。麻薬の管理などに関して、どんな書類があり、どんな手続きをすべきかというものです。
たしかに、麻薬の管理は厳重に行わなければならないですが、そんなに面倒ながんじがらめの法律・規則だと、麻薬の使用量は増えず、無用な癌患者さんの疼痛が十分にとることができないなというのが、初めてこの講習会に参加しての率直な感想です。
(1998/02/27付記)
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制作・著作:
佐藤賛治 (薬のご質問にはお答えできません)(http://d-inf.org/drug/)