
他では聞けないくすりのはなし
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新薬が世に出るまで(2)
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前回は、動物実験について書きました。今回は、人での臨床試験(治験)について書きます。
動物実験で満足のいく結果が得られたからといって、いきなり新薬として発売されるわけではありません。動物実験の後は、人にも同様の効き目があるか、安全性に問題はないかを確かめる臨床試験の段階に入っていきます。臨床試験は、第一相試験から第四相試験 までの四つに分かれています。
第一相試験(フェーズ1)では、人体への安全性を中心に試験を行います。体力のある健康な志願者で行い、もし問題が起きた場合には、試験はすぐに中止されます。製薬会社の社員が行う場合もありますし、バイトを雇ってやるときもあります(そのバイト料は危険な薬ほど高額であると言われています)。
第一相試験で何も問題がなければ、第二相試験(フェーズ2)に移ります。今度は100人程度に限定した範囲で該当する症状のある患者を対象にします。目的は安全性に加えて、効き目を確認することです。これ以降の臨床試験は、患者さんを対象に行い、必ず投与する前に患者さんの同意を得て、署名をもらうことになっています。
これが成功すると、次の第三相試験が実施されます。ここでは1000人程度まで患者の数をふやし、第二相試験で得た結果をもう一度確認します。このときは二重盲検法(ダブル・ブラインド・テスト)という方法で行われることが多いようです。これは患者を二つのグループに分け、一方には試験中の薬を、もう一方のグループには、同じ薬のかたちで中身は薬の成分が入っていないプラシーボ(あるいはプラセボともいいます;薬の成分が入っていない偽薬のことです)を、投与している医者にも患者にもどちらか分からない状態で投与する方法です(医者にも患者にも分からないため、ダブル・ブラインドと言われています)。何も薬の成分が入っていないものでも、効くぞと思って服用すると効いてしまうこと(プラシーボ(プラセボ)効果)がありますので、本当の有効性を確認するためにこのようなやり方が行われます。
治験はときとして、都合の悪いデータを隠したり、改ざんしたり、また、製薬会社と医師との癒着により、メーカーに都合のいいようなデータにしてもらうことの見返りとして、贈収賄が行われているケースがあり、新聞やテレビで報道されることがあります。実に悲しいことです。(通常、病院と製薬会社は、治験を行うにあたって契約を結び、そのために製薬会社から支払われるお金は、医師個人ではなく、病院に支払われます。医者が自由に使えるわけではありません)
この後、厚生省・中央薬事審議会で審査され、薬価がついて世の中に出てくることになります。その話は新薬が世に出るまで(3)に書きました。
(1999/04/25)
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制作・著作:
佐藤賛治 (薬のご質問にはお答えできません)(http://d-inf.org/drug/)