
他では聞けないくすりのはなし
![]()
新薬が世に出るまで(3)
![]()
ヒトに対しての臨床試験で、第一相試験から第三相試験まで行うのに、6年ほどかかります。製薬会社は、この臨床試験や動物試験の結果、工場生産の方法などをまとめて厚生省に申請します。厚生省では、この申請書を審査するわけですが、その結果、再び申請書を作り直すことになったり、改めて実験を行うこともあります。審査期間は通常、2年を要します。(最近、この承認期間を最長でも1年に短縮する方針が出されました。今年10月より試行され、来年4月より完全実施されます)
厚生省から承認許可と保険薬価が出されると、ようやくのことで新薬として発売できるようになります。しかし、それで終わりではなく、新薬として発売されてから6年間に少なくとも10000件のデータを集めて、再び厚生省の審査を受けなければなりません。それが第四相試験です。再審査の結果、承認を経て、ようやく正式に新しい薬が誕生するわけです。再審査の結果、薬の効果・効能が削られる場合もあります。
ちなみに、製薬会社は動物実験の段階で、他の会社に真似されないように特許の出願をしますが、特許の期限は15年間です。下手したら、臨床試験の途中で特許が切れてしまうこともあります。そこで、第四相試験の期間中は、他のメーカーが同じ成分の新薬を申請することはできないことになっています。
と、新薬が誕生するまでは、長い年月と莫大な費用がかかり、多くの手間と努力が必要なわけですが、今までの日本の薬は、残念ながら国際的に通用しないと言われています。それは、日本の治験の多くは、国際的に通用するようなデータを得るような研究にはなっていなかったためです。1997年4月に新しい薬事法が施行され、そのような傾向が是正されようとしてます。次には、そんな内容のことを書こうと思っています。
(1999/04/25)
![]()
制作・著作:
佐藤賛治 (薬のご質問にはお答えできません)(http://d-inf.org/drug/)