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他では聞けないくすりのはなし

妊娠と薬:受精前〜妊娠3週末までの薬剤の影響

 まず、妊娠の時期を考える上で、妊娠週数の数え方を知らなければなりません。最終月経の開始日を0週0日として計算するのが普通です。分娩予定日は40週0日です。妊婦さんなら、この話十分にご存じですよね。
 それと胎児の発育のことも知っておく必要があります。胎児の器官の基本的な形態の完成する期間は、妊娠4週〜7週の終わりです。この時期に胎児の中枢神経や、心臓、消化器、四肢などの大事な臓器や器官ができあがります。さらに口蓋、外性器の完成は妊娠4ヶ月の終わりとされています。

おもちゃのロボット

 さて、受精前に飲んだ薬の影響について書きます。理論的には、受精前に薬剤の影響を受けた卵子は受精能力を失うか、受精してもその卵は着床しなかったり、妊娠早期に流産として消失します(このことは、「はじめに(2)」で書いています)。出生に至る可能性があるとすれば(確率的には非常に低いです)、染色体異常か遺伝子レベルの異常で、いわゆる催奇形のような形態的な異常は発生しません。つまり奇形児は産まれないということです。
 また、受精後2週間以内(妊娠3週末まで)に影響を受けた場合は、着床しなかったり、流産したり、完全に修復されて健康な赤ちゃんが産まれます。つまり、この時期の薬の影響は、ちゃんと産まれるか、全然産まれないかのどちらかで、奇形児が産まれることはないようです。
 ですから、後で妊娠したことが分かって、この時期に薬を飲んでいたことを思い出しても心配しなくてもいいです。この時期の薬の服用は胎児への影響を考える必要がありません。
 ただ、体の中にしばらく残ってしまう薬、例えば、風疹生ワクチン、金チオリンゴ酸ナトリウム(慢性関節リウマチの薬、商品名:シオゾール)などは、注意しなければなりません。次の項で書くように、このあとの妊娠4週〜7週までの薬剤の影響が一番大きく、薬が体に残っているとまずいからです。

(1999/10/30)

(補足・追加)
 「出生に至る可能性があるとすれば染色体異常か遺伝子レベルの異常」というのは、具体的にどのようなことなのでしょうか?というご質問を複数の方に受けましたので、ここに補足します。
 染色体とは、遺伝子のかたまりで、人間のからだの細胞の一つひとつに入っているものです。染色体は、23対=46本から成っていますが、この中に欠けているものがあったり、重複するものがあったりするのが染色体異常です。代表的な染色体異常の病気は「ダウン症」で、精神発達遅滞などが見られます。しかしながら流産になる可能性が多いと言われています。

(2000/07/15追加)

 さらにちょっと補足します。
 すべての妊娠の15%程度は流産します。流産した胎児の70%に染色体異常があり、お母さんの年齢が高くなるとこの割合も高くなります。実際、染色体異常の原因は多岐にわたっておりますが、薬が原因ということは確率が低いと思われます。
 先にも書きましたように、染色体異常でのほとんどは出生に至ることなく、妊娠経過とともに自然淘汰されます。自然淘汰されることなく出生にいたるのはわずかに0.6%程度とされています。
 染色体異常に関してはこのサイトに詳しく書かれてあります。
 ●東府中病院:高齢妊娠と染色体検査・染色体異常
 http://www5a.biglobe.ne.jp/~hhhp/alte-pp/alte-pp-chromosome.htm

(2004/05/16追加)

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制作・著作: 佐藤賛治 (薬のご質問にはお答えできません

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