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他では聞けないくすりのはなし

他人の薬はよく効きそう?

 先日、次のようなメールを頂きました。
 はじめまして。
 ずーっと不眠症に悩まされています。
 病院にはいってません。知り合いの方から薬をゆずっていただいてます。知人も不眠症なので。
 今飲んでいる薬は錠剤3種類と、粉薬です。
 粉薬の方は、知人の体重が80kgあり、私の体重が48〜49kgなので分割して服用してます。
 粉薬の方は、「強い薬」と聞いているので、少量ずつ飲んでますが、量が少ないとまったく眠れないので2〜3回少量飲んでいたのですが、外出して、何か買い物にいったらしいのですが、何となくしか覚えてなくて、前の日の事をほとんど覚えてないのです。自分では、夢だと思っていたのですが、夢の中で買った服があったりして…。
 やばいですよね。やっぱり。

 また、別の方よりこのようなメールを頂きました。
 先月花粉症の人が凄くよく効く薬を、開業医から出してもらって、まだ残っているからだまされたと思って飲んでみてと言われた薬は、何とプレドニンでした。
お断りしましたが、まだ患者の中には、自分に処方された薬を他人に勧めている世界もあります。
 (佐藤注:プレドニンはプレドニゾロンの商品名で、副腎皮質ホルモン剤の一種です)

薬あげると言われても・・・

 はじめのメールの方のように、眠れない症状が似ているからお知り合いから薬を譲ってもらったのでしょうが、お知り合いの方は、別の病気にかかっている可能性がありそうです。
 また、2番目のメールでは、花粉症によく効くからといって、副腎皮質ホルモンの薬をあげようとしています(この方は断ったようですが)。副腎皮質ホルモンは、炎症を抑える作用が強いのですが、その分副作用も強く(喘息治療の主流〜ステロイド吸入の項を参照して下さい)、医師の管理のもとに飲むべきものです。
 医師が処方する薬は、病気や症状の他に患者さんのそのときの体調、年齢、体格、体質、併用している薬などを総合的に判断して決められます。その用法や用量は、患者さん個々に合わせたものです。医師が処方する薬はオーダーメイドの薬であると言えます。同じ病気や症状だとしても、他の人が使えば、薬の効き方が異なることがありますし、事故につながることさえあります。
 医師が処方した薬を他の人にあげたり貸したり、またもらったりのは絶対にやめるべきです。

(1999/06/05)

(追加)
 上記の2番目のメールの方から再びメールを頂きました。以下ご本人にご許可を頂き、抜粋して掲載させていただきます。
 以前、夫が風邪をひいたときに、胃薬も含め5種類以上の薬を出してもらいました。夫は2回ぐらい飲みすっかりなおってしまいました。風邪をひいて喉が痛かった私は、その薬が残っていた薬を、素人判断で飲んでしまいました。そうしたところ、動悸が激しくなり脈が120ぐらいになってしまいました。薬のせいと判っていたので、苦しさをこらえ、またまた素人判断でウーロン茶をがぶ飲みして、お小水を出して、安定剤を飲んで眠ったら、なんとか事なきを得ました。後で調べますとその薬は気管支拡張剤で、喉の痛みには使わない薬であることが分かりました。
 今は処方された薬の説明がされるようになりましたので安心しています。しかし逆に他人に回すこともあり得るかもしれませんね。
 そうそう皮膚科の塗り薬も案外気楽に他人のをもらい塗りますね。これも困った巷の人々の好意から起きることです。
 私たちは良い意味でお医者様の御診察を仰ぐ時代から脱皮して、賢い患者になることが、必要だと思います。

 実際に、こういう話を聞くと他人の薬を飲むということがいかに怖いことであるかということがお分かりになりますよね。最後の一言が、この問題の核心をついているような気がします。

(1999/06/08追加;1999/06/10更新)

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制作・著作: 佐藤賛治 (薬のご質問にはお答えできません

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