
他では聞けないくすりのはなし
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いままで、「患者さんのプライバシーを考える〜1」、「患者さんのプライバシーを考える〜2」、「患者さんのプライバシーを考える〜3」で、いろいろと患者さんのプライバシーについて考えなくてはいけないと書いてきました。
しかし、病院薬剤師として私がちょっと失敗してしまったことを掲載します。失敗ですから、恥ずかしいのであまり書きたくないのですが・・・。
胃癌の患者さんが、TS-1(ティーエスワン)というカプセルの薬をのみ始めることになりましたので、いつものように患者さんのところに行って、その薬の効果や副作用の説明をしようとしました。その患者さんの病室は4人部屋で、同じ部屋の他のベッドにも他の患者さんがいらっしゃるという状況でした。
事前にカルテを見て、主治医から胃癌の告知を受けていることを確認した後、その患者さんの自分のベッドの脇で、製薬会社がつくっている患者さん向けの冊子をもとに説明しようとしたところ、「ごめんなさい、他の方にあまり聞かれたくないので、ちょっと別のところでお話頂けませんか?」
もちろん、同室されている他の患者さんのことを配慮して、極力小声で話をしようとしましたが、不快に思われたようで・・・。すぐに病棟の個室(面談室)に場所を移して、自分の配慮が足りなかったことを重々にお詫びをしながら、話を続けました。
説明が終わったところで、「丁寧に話してくれてありがとう。話はよくわかりました。癌と言われて、初めて抗癌剤を使うことになって、不安や心配がありましたけど、まあがんばってみようと決めました。」と言われたときは、ちょっと胸をなでおろしました。よかった〜。

実際には、のみ薬のTS-1だけではなく、シスプラチン(略語;CDDP)の注射の点滴を併用するのが、胃癌の抗癌剤治療の標準的な治療となっていますので、シスプラチン注の話も付け加えました。
今回は、ちょっと冷や汗がでました・・・(^^;)。やっちゃたよ〜という感じで、反省しています。偉そうに書いていても、まだまだ未熟者です。
今後は、込み入った話の場合、ベッド脇でお話した方がいいのか、別室でお話した方がいいのか聞いてみることにします。ま、いっそのこと、抗癌剤の説明の場合はすべて別室に移動してお話をした方がいいと思いますが、中にはわざわざ移動しなくても、という方もおられることも考えられますので、選んで頂いた方がいいかなあと思っています。
入院中の患者さんにしてみれば、個室部屋でない限り、他の患者さんといっしょに生活されるわけで、カーテン一枚で仕切られているだけで、なかなかプライバシーが十分に保てないという状況があるでしょう。カーテン閉めて寝ていても、医者や看護師や薬剤師などがいきなりやってくるという状況もありますよね。医療従事者としては、考えなければならないことです。
(2005/08/14)
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制作・著作:
佐藤賛治 (薬のご質問にはお答えできません)(http://d-inf.org/drug/)